Grace

退廃的な空間の中に、とある父と娘の流浪の旅

16mmフィルムで撮影された粒子感が自分好みである。グレースのそばかすがとても可愛らしく写って、その写すロシアの光景も閉塞感が感じてしまうが、どこか自由さがある。そのそれは親子の関係性なのか?特別強く主張するとなく諦めとも抵抗とも違う潔いシンプルさ。ロシアって大きなユーラシア大陸の中で一番広大な土地、さまざまな風景があるはずなのに全然イメージが湧かない。これという特徴がないのだろうか?いやいやそんなことはない。素晴らしい建築物、田舎に行けば原風景が感じられるいい場所がたくさんある。行ったことはないがそんな感じがしてならない。

この親子には特別な強い結びつきが感じられて親子の危うさなどは微塵も感じられなかった。愛の塊と表現するべきなのか。ただ、グレースは思春期の女の子一人鳥籠から飛び立ち目の前に見えていた(籠を抜け出した)景色に触れても見たいだろう。さまざまな背景を抱えるロシアのバックグラウンドを背負いながら親子は南から北へとあてどなく進むのだ。生きるために。

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